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たとえそこに、愛がなくとも
第2章 ふしだらな身体


「なんか、来宮さんって」

「ん?」

「その……カフェ店ぽくないっすよね」

「へ?」

それはつまり、似合わないということだろうか。え、けなされてる……?

「キャバ嬢っぽい」

「キャバ嬢?!」

ヘルス嬢と近い職業を口にされ、私は思わず彼に聞き返す。少し声が上ずってしまった。ますます怪しまれるじゃないか。

意外と勘のいいらしい彼から、一歩だけ後ずさる。まさか、類さんが言わずともバレることなんて……。

「そんな、この世の終わりみたいな顔しないでください。別に悪口言いたかったわけじゃないんで。

たぶん、化粧が濃いからっすよ」

「化粧が濃い……?」

私は思わずほっぺたを押えた。明日からもう少しナチュラルなメイクを心がけよう……。

「それと」

「それと?」

「キレイで、モテそうだから」

「え……?」

今、キレイって……。それって、どう考えても褒められてるんだよね……?

そうわかった途端、手で触っていた頰がどんどん温かくなってきた。

「じゃあこれ片付けといてください、また明日」

彼はというと、そんな私をほったらかして、伝票を持ってさっさと店を出て行ってしまった。

ひとり取り残され、ドキドキしたままの心臓をどうしていいかわからない。

ていうか、18歳の男の子にときめかされるとか、悔しすぎる……。




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