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たとえそこに、愛がなくとも
第3章 理不尽な嫉妬

翌日も、当たり前のように仕事があって
「おはよう」
「お、おはようございます……」
当たり前のように店長と顔を合わせる。
そして、昼前には、当然業者である宮野くんとも顔を合わせるわけで……。
どんな顔して会えばいいんだろう。どんな話をすればいいんだろう。
もちろんそれは、いつも通りがいいに決まっていて。でもその”いつも通り”がわからないのだ。本当に困った。
そのせいで、昨日の夜はあまりよく眠れなくて、私は何度か小さなあくびをしながら勤務をしていた。
今日のポジション、レジじゃなくてよかった。ひどい接客をするところだった。
ウォッシャーの前に立ち、下げられたトレーを順番に片付けていると
「来宮さん、大丈夫?なんか顔色悪いけど」
ドリンクに入っていた桐沢さんが、心配そうに私を覗き込む。
「だ、大丈夫です。すみません」
「大丈夫って、クマすごいじゃない。休憩入ったら?」
確かに今なら、客も落ち着いているし休憩をもらっても問題なさそうだ。一旦、立て直してきた方がいいのかも。
「すみません、休憩いただいてきます」
「うん、そうしなさい。ごゆっくりとうぞ」
私は片付け途中だったトレーを放置し、ヨタヨタしながら事務所へと向かった。

