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怪しい薬の研究所
第2章 女子高生が温泉で……
「その温泉宿様は、普段ならバスタオルやタオルの持ち込みが禁止されているのですが、このたびの撮影に関しましては、バスタオルを巻いて湯につかることも許可してくださっています。それに、モデルさんからOKサインをいただかない限り、カメラマンはカメラを向けないようにしますので、ご安心ください。また、撮影は、こちらの最寄り駅集合と仮定しますと、温泉宿までの往復を含めまして大体5時間以内には全て終了すると思われますが、日当を10万円お支払いいたします」

 小声で言われた最後の金額部分を聞いた途端、朋香の目が驚きで見開かれた。

 すかさず畳み掛ける宮元。

「今回は若いモデルさんを募集しておりまして、なおかつ、『髪は黒髪で』『ピアスなし』『色白』などの色んな条件を設けておりますゆえ、どうしても厚く報いさせていただくことになるのですよ。幸い、沢下さんは全ての条件を満たしてらっしゃいますので、お声かけさせていただいたわけです」

「ありがとうございます……。それでは、お言葉に甘えまして、お話を」

「こちらこそ、ありがとうございます。お時間を取らせてすみません。では、あちらへどうぞ」

 宮元はいつものワゴンを手で指し示してから、朋香をそちらへ案内していった。

 車体のドア部分に書かれてあるロゴが、「豆川TV」から「豆川出版」へと書き換えられたそのワゴンに。




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