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いろごとプリズム
第7章 花見川の官能小説
サーヤは迷った。こんな機会はなかなかない、もちろん興味津々だ。けど花見川に食われてしまうのを避けられない展開なのではないか……?
「あ……、食われる、って思ってます?」
ま、また、魔法みたいに見透かされている……!
「え、や、あ……いやその……」
「僕は無理にしたりはしない主義だから心配しないで下さいね。飢えてるわけでもないし。もっとも……、先輩の方から求めてくれるなら当然たっぷり応じますけど」
ニヤリと笑いながら顔を近付けてそう言う花見川に、サーヤはドキッとしながら答えた。
「うん、じゃあ、それ約束ね?」

連れて行かれたそこは、本当に高校のすぐ側で、本当に物凄い豪邸だった。
「うっ……、すごいね……」
「ふふ、僕にはこれが普通なんで」
世界が違うなぁ、というのを見せつけられたような気持ちになった。そして何故こんな豪邸のお坊ちゃんで超イケメンな花見川が、自分なんかにこだわるのか……、サーヤはそれを不思議に思った。
「ただいまー」
「おかえりなさい、匠さま」
家に入ると、使用人?がいる。ますます別世界だ。階段を上がって匠の部屋に着くと、これまた広くて物凄い量の本、本、本……!
「す、すごい……!」
「せーんぱい、さっきから『すごい』しか言ってませんよ?語彙力の欠落は物書きとして失格ですよ」
「い、いや、だって言葉を失うぐらいすごいんだってば!!ねぇこの本の量!すごいよ!こんな部屋に住んでるなんて花見川くんすごい……さすがだよ……!」
サーヤは目を輝かせて本棚を見まわした。
「ふっ……、かーわいいな先輩ってやっぱ。……あ、紅茶持ってこさせますね」
「いやお構いなく!これは確かに文芸部の部室以上に文芸部に相応しい場所だね……」
「ははっ、毎回ここで部活やってもいいですよ!学校にバレなければね」

サーヤは少しだけ、花見川が大賞を受賞した『融合時代』を読んだ時に感じた彼の天才的な面を理解できた気がしていた。この環境が、魔法使いみたいな彼を産みだしているんだ……。ますます自分など敵わないし、花見川匠という人間への興味が深まる。
「失礼します」
使用人のおばさんが紅茶とお菓子を運んできてくれた。
「ありがとう、サトさん」
「あ、ありがとうございます!どうぞお構いなく……」
「いいんですよ、ごゆっくりしてらしてね」
品の良い風情のサトさんは、お盆を持って戻っていった。
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