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光 “I can see your halo.”
第2章 元カレと体調不良
声が震えているのが伝わらないように、なんとかそう伝えて、もう一度謝って、電話を切った。

はぁ…
仕事が好きなのに。
仕事をしている自分が好きなのに。
どんなに辛いことがあっても、"私には仕事がある"と自分を奮い立たせてきた。
実際、元カレに捨てられた今"私には仕事しかない"のだ。

だから、"使えないヤツは帰れ"って言う目は堪えられなかった。

自分でも驚くほど、ホントに何にもする気が起きない。
起き上がる活力もなくなってしまったみたいだ。
チクチクとし始めた胃痛に少し身体を強張らせるだけ。
帰って来てから、ずっと同じ場所で、同じ態勢で、同じ事ばかりを考えている。

セフレが好都合…
仕事で使えない…
この堂々巡りで、自分が嫌いになるばかり。
ホントに消えてなくなってしまいたい。

ピンポーン

何十回目かの堂々巡りの最中に、家のチャイムが鳴った。
誰よ…
起き上がる活力もないのよ…

ピンポーン

お願い、静かにして。
胃が痛いの。
気持ち悪いの。

ヴーヴーヴー

え、今度は携帯?
一人で惨めに落ち込ませておいてもくれないの…?
心の中で舌打ちをして、携帯の画面を見た。
そして、固まった。

「えっ?た、滝本さん?」

驚いて思わず電話に出た。

「もっ、もしも…」

ピンポーン

『お前、家だろ?早く開けろ。』

ピンポーン

「えっ、えぇっ!?」

再び家のチャイムが鳴る。
そして、同時に滝本さんの声の後ろからもチャイムの音が聞こえる。
えぇ―――っ!?
家の前にいるんですかっ!!??
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