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第2章 元カレと体調不良

「また我慢してんのか？声出して泣いた方がスッキリするぞ？」

滝本さんが私の頭を撫でながら『よしよし』なんて言って、頭を抱き締める様にするから、もう堪えられない。
そのまま、無意識に滝本さんに抱きついて、嗚咽を漏らした。

「うぅ――…、たっ、きもとさっの、ばかぁ…」

「あはは、何でだよ。」

抱きついた私を抱き締め返して、滝本さんが笑う。

「まっ、またっ…泣かっされ、た――…」

「ははっ。俺、お前の泣いてる顔、好きなんだよね。」

「……うぅっ、ぐすっ、うっ…へんた、ぃ…」

「おい。」

「セッ、セクハラ…悪しゅ、み…」

「おいおい。」

笑いながらため息をついて、私を抱き締める腕に力を込める。

「少しは落ち着いたか？」

「うぅ…私、月曜から…ひっ、く…仕事、ちゃんと、出来ますか、ね…」

「大丈夫だって。お前のスキルはみんなが認めてる。」

「こっ、怖くて…。…っ！いたた…」

少し前屈みになった私を心配そうに見下ろす。

「また痛むのか？」

そう言って、背中を擦ってくれた。
痛みは平気だけど、月曜からを思うと不安で、引いたはずの涙が溢れてくる。

私を泣かせて楽しむ滝本さんの腕の中で、これでもかってくらい泣いた。
滝本さんは相変わらず黙っていたけれど、時々、頭を撫でてくれたり、背中をトントンしてくれたり、泣き顔をからかいながら鼻水も拭いてくれた。
泣き続けて、頭がガンガンして、ボーッとする。

誰かに抱き締められるって、こんなに安心するものなのかと戸惑いながら、温かくて、落ち着く腕の中で、私は久しぶりに気分が安らいだ。