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第1章 別れと始まり

「なにこれー！！」

翌日、三人で顔を見合わせて、悲鳴をあげた。

「これは…メイクでは隠せないレベル…」

「あんまり、叫ばないで…全ての音が頭に響く…」

「こんなに翌々日まで引きずるんだね…」

ちゃんぽんで飲んだのがいけなかったのか。
やっぱり日本酒がいけなかったのか。
昨日の早寝の効果はほぼ無く、浮腫んだ顔と頭痛にテンションを下げられた。

なんとか身支度をして、いつめより早めに美怜の家を出た。
支度をしている時も、駅まで歩いている時もずっと私たちは下を向いてブツブツ言っていて、まるでお通夜か？というテンションだった。

すぐに到着した電車も満員とはいかなくても十分混んでいて、私たちの不快指数はさらに上がった。
電車の揺れも私たちを追い詰める。
それでも我慢して会社の最寄り駅で電車を降りた。

「ここからよ。知り合いに会わずに会社までたどり着きたいわ…」

「さすがの美怜もお酒が抜けないと完璧を装えない、か。」

「笑い事じゃないし！元凶あんただし！」

ホームで美怜と言い合っていると、背後から声をかけられた。

「美怜ちゃん、知花ちゃん、おはよう！…あれ、琴莉ちゃんも。」

振り返ると星さんと一ノ瀬さんが立っていた。
いやいや、ソッコーで知り合いに会ってしまった。
この…星さんと一ノ瀬さんは私の同じ職場の先輩の同期の方々で、先日、その先輩を通じて知り合ったばかり。
星さんは経理部で、一ノ瀬さんは同じ営業部で職場が隣の営業企画課に所属している。
それにしても、どうして今日に限って…
こんなに早く知り合いに会ってしまうんだ…