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夜は、毎晩やってくる。
第9章 届けて欲しいの 後編
そうよ、配送員が部屋に上がり込んだりするわけないじゃない。
まして客とどーにかなるなんて!
恥ずかしくて、穴があったら入りたい。
でも、言わなきゃバレないこと。
平静を装って包みを受け取り、サインのための羽ペン貰おうとすると、そこで爺やが口を挟んだ。
「王子、いけませんぞ。そんな堅苦しいことなぞ、後でかまいませんですじゃ。まずはお荷物をお部屋に運び込んで差し上げなされい」
「そうであった。私としたことが、レディを玄関口に立たせるなど失礼であった」
「え……?」
フワリ、と身体が宙に浮く。
王子様があたしをお姫様抱っこして、荷物ごとリビングへと上がり込む。
「え、え……ちょっと……?」
「姫様、ご遠慮なさりますな!」
脱いだ靴を揃えてからチョコチョコと小走りで後をついてきた爺やが言う。
「お届けは洋服でごさいますな、さっそく開けて着替えましょう。お体にちゃんと合う寸法か、確めねばなりません!」