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はじめの一歩
第1章 Butterfly
ホテルを出て、タクシーを拾う。

彼女を先に乗せ、一万円札を渡す。

「足りなければ立て替えて、後で清算するから。」

「多分、大丈夫…」

タクシーが走り出したのを確認し、もう一台拾って自宅に帰った。

帰宅したのは午前7時過ぎ。

着替えたらすぐに出勤する時間だ。

コーヒーくらいは飲む時間があるかな。

家に入り、二階の自室に上がろうとしたら、中庭で池の鯉に餌をやっている父と遭遇する。

「…ただいま…」

「おはよう。週明けから朝帰りとはいいご身分だな」

「…ちゃんと仕事は行きますよ。」

「飲み明かした、という感じでもないな。外泊するような相手がいるならちゃんと連れて来なさい。母さんが心配しているぞ。」

「分かってます。近い内に紹介しますよ」

父との会話はそこで終わり、僕は着替えていつも通り出勤する。
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