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第1章 読み切り短編

好きとか愛してるとか。
そんなのちっとも信じてなかった。
そんなのはテレビドラマの中のクッサイセリフなんだと思ってた。

実際、いまあたしが感じてる気持ちは、そんな言葉じゃ言い表せない。
そんな陳腐な言葉じゃあ、言い表すことなんかできやしない。
だってあたしたちはいつでも、言葉を越えてコミュニケーションしてきたんだもん。
言葉なんかなくても、ずっとずっと分かり合ってきたんだから。

でも、あの時名前を呼び合って絶頂に達して。
言葉にならなかった気持ちが、初めて形を持った。

ずっと好きだったんだって。
ずっと、そばにいて欲しいんだって思った。


今日、あなたとファースト･デイト。
何を着ていけばいいのか、何を話したらいいのか、ちっとも分からない。

やさしくしてくれるかな？
何度も笑かしてくれるかな？
朝からドキドキがとまらないよ。

今日あなたとファースト･デイト。
友だちを卒業して、あたしたちは初めて恋に落ちた。
まるで初恋だ。








fin