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第8章 episode 0 ー北川sideー

折角のチャンスを他愛ない雑談で棒に振ってしまうのも勿体無い。

イロイロ話しながら、バレないように試しで付き合ってみないか、と提案する。

少々唐突かも知れない、と思いながら、内心ドキドキしながらの誘いだったが…

「絶対バレないなら…イイかな…」

と言われ、手応えを感じた。
辻本のマンションの前に車を停め、連絡先を交換して、車を降りる直前に、不意打ちでキスしてみた。
飛び退く様に逃げられたが、驚いただけで避けられてる感じでもなかったから、もう一度、断ってから顎を持ち上げて引き寄せる。

舌を絡めて彼女を味わいながら、今日、車で来て良かった、と心から思った。