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第8章 episode 0 ー北川sideー

辻本に告白したものの、バレないコトが前提だから、会社では一切喋らない。

その分夜は必ずメールやLINEを送った。
本当は電話して声を聞きたいとこだったが、彼女もこちらから話しかけなければ話さないタチだし、俺が声を聞きたいと言う理由だけで勝手に喋ってくれるわけじゃない。
俺にとって電話は、要件を伝えるツールであって、人の声を聞くことに重点を置いたことがなかったから、いざ声を聞きたいと思っても、どう使っていいかわからなかった。

週末、また車で出勤した俺は視界の端に彼女が帰り支度するのを見つけ、LINEでメッセージを送る。

今作っている資料はどうせ明日の土曜も出て来なきゃ月曜の会議に間に合わない。
これ以上居残っても仕方ないから、残りは明日に回して彼女と一緒に帰ろう。