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第8章 episode 0 ー北川sideー

パスタを茹でる湯を沸かしながら、テーブル周りから彼女の視線を外すために、ビールを勧める。
アテは昨日余した搾菜とキュウリの和え物と、オクラとミョウガとカマボコのワサビ醤油和えをとりあえず出す。

ペスカトーレと明太子フィリングを作りながら、彼女の様子を伺う。
いい気分で飲んでくれてるみたいでちょっと安心した。

冷凍のシーフードミックスだから、アサリに殻が付いてないのが残念。コレはコレで食い易いけど、やっぱり料理は見た目も大事だ。殻付きのアサリの方が見栄えするし、味もいい気がする。

パスタを出して2人で食べながら、やっぱ料理ってのは1人より誰かと食うのが美味いし楽しい、と感じる。

男に振舞って感心されるのも別に悪い気はしないが、相手が好きな女だと気分の揚がり方が桁違いだ。
座る場所も2人掛けのソファしかないから自然と隣り合って座れるし。

別にこういうシュチュエーションを想定して買ったソファじゃないけど、この間取りで良かった、思った。