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口琴
第14章 診察
不躾に襖を開けて『お取り込み中失礼』などと言って入る程の勇気もなければ、無神経さもない。
やはりここは出直した方が…。
北川から『取り込み中だ』と聞いた時、常識的な人間なら、その場で出直すのが筋だろう。では何故自分はこの場まで、のこのこやって来たのか…。
開発した媚薬を、一刻も早く中條に渡したいと言う事ではない。こんなもの今日渡そうが明日渡そうが、別段変わりはないのだ。
では何故…。
松岡は、自分の不可解な行動に戸惑ったが、踵を返そうとはしなかった。
「…んぁっ…あんっ…あぅっ……」
…もう…何だっていい…。この襖の奥を見たい…。それだけだ…。
『夕鶴』の"与ひょう"のような気持ちだった。覗いてはいけない機屋の前に葛藤するが、襖の向こうから聞こえてくる機織りならず、甘美な喘ぎ声。
一体ここで何を紡いでいると言うのか…。
成人女性の声なら、ここで思い留まったかも知れない。しかし、そうしなかったのは、あまりにもあどけない喘ぎ声のせい。
興味とも好奇心とも取れぬ奇妙な感情が、襖の奥の幼声に誘発され、下腹部が思わぬ反応を示す。
緊張で身動きできない。襖の引き手に指をかけたまま時が過ぎた。
「…ふぅぅ……」
小さなため息を一つつくと、少し楽になった気がした。
スーー
汗ばんだ指が滑らないように注意を払いながら、ゆっくりと開く。
ほんの数センチ…。
息を殺し、中を覗く。
一組の和布団。乱れた白いシーツの上。裸の中條が背を向けて胡座をかいて座っている。中條の首にしがみついているのは、真っ白な躰をした小さな少女。
少女の躰は中條の律動に合わせ、ユサユサと上下していた。
長い黒髪は波打ち、虚ろな瞳で天井を見つめ、小さな赤い唇から漏れ落ちるため息と喘ぎ声。
松岡は十歳の子どもが、こんなにも淫らに燃える姿を目の当たりにし、さっきからざわついていた下腹部が、本格的に始動し始めたのを感じずにはいられなかった。
松岡の右手が、股間へと伸びる。
もうソコは、ズボンを突き破りそうな勢いで熱く硬直していた。
「あぁっ…んんぁっ…」
「蕾…。どこが気持ちいいんだね?…ほら、言ってごらん?」
「…やっ…だめっ…んんっ…」
「ほら、ちゃんと言いなさい。松岡のおじちゃまにもはっきり聞こえるように…」
やはりここは出直した方が…。
北川から『取り込み中だ』と聞いた時、常識的な人間なら、その場で出直すのが筋だろう。では何故自分はこの場まで、のこのこやって来たのか…。
開発した媚薬を、一刻も早く中條に渡したいと言う事ではない。こんなもの今日渡そうが明日渡そうが、別段変わりはないのだ。
では何故…。
松岡は、自分の不可解な行動に戸惑ったが、踵を返そうとはしなかった。
「…んぁっ…あんっ…あぅっ……」
…もう…何だっていい…。この襖の奥を見たい…。それだけだ…。
『夕鶴』の"与ひょう"のような気持ちだった。覗いてはいけない機屋の前に葛藤するが、襖の向こうから聞こえてくる機織りならず、甘美な喘ぎ声。
一体ここで何を紡いでいると言うのか…。
成人女性の声なら、ここで思い留まったかも知れない。しかし、そうしなかったのは、あまりにもあどけない喘ぎ声のせい。
興味とも好奇心とも取れぬ奇妙な感情が、襖の奥の幼声に誘発され、下腹部が思わぬ反応を示す。
緊張で身動きできない。襖の引き手に指をかけたまま時が過ぎた。
「…ふぅぅ……」
小さなため息を一つつくと、少し楽になった気がした。
スーー
汗ばんだ指が滑らないように注意を払いながら、ゆっくりと開く。
ほんの数センチ…。
息を殺し、中を覗く。
一組の和布団。乱れた白いシーツの上。裸の中條が背を向けて胡座をかいて座っている。中條の首にしがみついているのは、真っ白な躰をした小さな少女。
少女の躰は中條の律動に合わせ、ユサユサと上下していた。
長い黒髪は波打ち、虚ろな瞳で天井を見つめ、小さな赤い唇から漏れ落ちるため息と喘ぎ声。
松岡は十歳の子どもが、こんなにも淫らに燃える姿を目の当たりにし、さっきからざわついていた下腹部が、本格的に始動し始めたのを感じずにはいられなかった。
松岡の右手が、股間へと伸びる。
もうソコは、ズボンを突き破りそうな勢いで熱く硬直していた。
「あぁっ…んんぁっ…」
「蕾…。どこが気持ちいいんだね?…ほら、言ってごらん?」
「…やっ…だめっ…んんっ…」
「ほら、ちゃんと言いなさい。松岡のおじちゃまにもはっきり聞こえるように…」