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口琴
第15章 守るべきもの
「…おい…悪い冗談はやめなさい…。金か?いくら欲しい?…欲しいだけやろう…だから…そんな馬鹿な真似はよせ…。…頼む…命だけは…。お前の娘には手を出さない。約束しよう…佐山…」
「………………」
命乞いをする中條に応える事なく、勝ち誇ったような笑みを浮かべた敬介。額には汗が流れ、瞬き一つしない眼球は血走っていた。
ガソリンの携行缶の蓋を開けると、中條に向かって浴びせかけ、アトリエ全体にもぶちまけた。
「うぁぁー、わ、わ、分かった、た、た、頼む…もう、やめろ…佐山!」
ガソリンまみれの顔を拭うことさえできず、後ずさりする中條の膝は震えていた。
敬介は空になった缶を投げ捨てると、ポケットから金属製のオイルライターを取り出した。
足がすくんで動けなかった北川が、漸くよろめきながら逃げようとしたが、敬介に襟首を掴まれ、部屋の中へ突き飛ばされた。
「た、助…け…てっ…!」
北川の悲鳴も殆ど声にならず、口をアワアワさせるだけ。
ドアの前に立った敬介は、ライターのフリントホイールに親指をかけ、中條に見せつけて冷笑する。
チッと言う音をたてたライターは、ゆらゆらと赤い炎を揺らした。
「…や、やめろ…やめてくれ…頼む…」
敬介は部屋を見回し、数々の美少女達の艶画に苦笑した。
「このロリ達と一緒に地獄へ行けたら、本望だろう?ハッハッハッ…じゃあな…」
そう愚弄すると、ライターを床に投げ捨てた。
火の足は早く、アトリエは一気に炎の檻となった。
「ギャァーー!助けてくれーーっ!」
中條を炎が包む。
「お坊っちゃま!うぁーー!」
北川は上着で叩き消そうとしたが、もう手がつけられない。
「きゃぁーーーっ!」
敬介の背後で悲鳴をあげたのは、彩乃だった。
「こんなこと…酷いっ!あの子を…あの子だけを殺るって言ったじゃない!ウソつき!」
「悪いな…俺の狙いは始めから、この変態社長だけだ」
積怨を晴らした敬介は、狂ったように笑いながら逃げ去った。
「お坊っちゃまーー!」
火だるまで、もがき苦しむ中條の胸に、彩乃は躊躇なく飛び込み、抱き締め、自らも炎に包まれてしまった。
見る間に部屋は炎の海となり、使用人たちが駆けつけた時はもはや手遅れ。
バリーーン!ガシャーン!!
激しく窓ガラスが割れ、炎と黒煙が激しく舞い上がった。
「………………」
命乞いをする中條に応える事なく、勝ち誇ったような笑みを浮かべた敬介。額には汗が流れ、瞬き一つしない眼球は血走っていた。
ガソリンの携行缶の蓋を開けると、中條に向かって浴びせかけ、アトリエ全体にもぶちまけた。
「うぁぁー、わ、わ、分かった、た、た、頼む…もう、やめろ…佐山!」
ガソリンまみれの顔を拭うことさえできず、後ずさりする中條の膝は震えていた。
敬介は空になった缶を投げ捨てると、ポケットから金属製のオイルライターを取り出した。
足がすくんで動けなかった北川が、漸くよろめきながら逃げようとしたが、敬介に襟首を掴まれ、部屋の中へ突き飛ばされた。
「た、助…け…てっ…!」
北川の悲鳴も殆ど声にならず、口をアワアワさせるだけ。
ドアの前に立った敬介は、ライターのフリントホイールに親指をかけ、中條に見せつけて冷笑する。
チッと言う音をたてたライターは、ゆらゆらと赤い炎を揺らした。
「…や、やめろ…やめてくれ…頼む…」
敬介は部屋を見回し、数々の美少女達の艶画に苦笑した。
「このロリ達と一緒に地獄へ行けたら、本望だろう?ハッハッハッ…じゃあな…」
そう愚弄すると、ライターを床に投げ捨てた。
火の足は早く、アトリエは一気に炎の檻となった。
「ギャァーー!助けてくれーーっ!」
中條を炎が包む。
「お坊っちゃま!うぁーー!」
北川は上着で叩き消そうとしたが、もう手がつけられない。
「きゃぁーーーっ!」
敬介の背後で悲鳴をあげたのは、彩乃だった。
「こんなこと…酷いっ!あの子を…あの子だけを殺るって言ったじゃない!ウソつき!」
「悪いな…俺の狙いは始めから、この変態社長だけだ」
積怨を晴らした敬介は、狂ったように笑いながら逃げ去った。
「お坊っちゃまーー!」
火だるまで、もがき苦しむ中條の胸に、彩乃は躊躇なく飛び込み、抱き締め、自らも炎に包まれてしまった。
見る間に部屋は炎の海となり、使用人たちが駆けつけた時はもはや手遅れ。
バリーーン!ガシャーン!!
激しく窓ガラスが割れ、炎と黒煙が激しく舞い上がった。