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口琴
第15章 守るべきもの
『警察は、防犯カメラだけじゃなくて、聴き込み調査もしててな?近所の住人の何人かが、ここ最近、中高生らしい少年が、中條邸の周辺をウロウロしているのを見ているらしくて…。
警察は、希望ヶ丘の近隣の中学と高校を捜査したそうだ。そしたら、その少年の制服から、うちの学校だって分かったらしい…。
先週だっけ?お前に希望ヶ丘の地図渡したよな?中條グループの社長んちの事、聞いてたし…。だからお前が心配になってな…』

「俺…疑われてんの?」

『いや、そうじゃねぇんだ。防犯カメラの映像には、少年以外の男も映ってたみたいで、そっちの方も調査中らしい。
今日の会議では、映像を見て似た生徒がいないか、ここ最近で行動に気になる生徒がいないか、話し合うんだが…。お前に先に確認しておきたくてな…』

「先生、俺…やってないよ!確かに昨夜のあの時間に希望ヶ丘へ行ったけど、何もやってないよ!ほんとなんだ。信じてよ!先生!」

『…じゃぁ、何しに行ったんだ?…』

「そ、それは…」

『…言えないのか?』

「ある人に…ハーモニカを聴かせたくて…」

『ハーモニカ?誰に?』

「それは…言えない…」

蕾の名前を出す訳にはいかない。

『そんなんじゃぁ、お前…』

「でもやってないんだ!信じてよ!先生!」

『……分かった…。でもアリバイがないと、疑われても仕方がない…』

「アリバイ?」

『ああ。お前が火災が起きた時間にハーモニカを吹いてたって言う証拠だ。誰か第三者の証言がないと…』

「そんな…分かんねぇよ…。誰が見てたかなんて。俺…夢中で吹いてたから…」

『…今、一人か?お袋さん達は?』

「ひ、一人だよ。両親は昨日から他方公演」

『…そうか…。よし、心配すんな。俺はお前を信じる。でもちゃんと俺には本当の事を話してくれ?分かったな?』

「…うん。ありがと、先生」

『…それじゃまた、連絡すっから』


電話を切った聖は、茫然と立ち尽くしていた。

「聖君…どうしたの?…」

聖の側へ来て、心配そうに聖を見上げる蕾。

「そんな顔すんな…。大丈夫だ。ハハッ…」

無理に微笑んだが、目が笑っていない。

「私、また迷惑かけてる?」

「バカ!迷惑なんかかけてねよ!俺は、お前を守りたいんだ!」

蕾の腕を引き寄せ、強く抱き締めた。

理不尽な疑いは、すぐに晴れる筈。

聖はそう信じていた。
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