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イカせ屋稼業
第11章 そのじゅう
拓矢は聞いている。

甲斐が続けた。
『自分が決めたこと・信じた相手だけを信じ続けることだ。
――何があっても。
お前らはこれまであれだけ一緒にいて、
何を疑うことがあるんだ?
社長がお前たちに何故チカラを入れたか分かるか?
お前たちが〔ホンモノ〕だからだよ。
偽物ならば、直ぐ壊れてしまう』



拓矢は、
(翔汰………ごめん)と思った。
不本意だと言っていたのに………

『―――すみませんでした。
事務所……翔汰と話していいですか』


甲斐はニヤリと笑い、
『ああ、さっさと仲直りしてこい!
そして撮影だ』
とエレベーターを指差す。

拓矢は駆け出した。


『は〜〜〜……。
やれやれ…。
思春期の相談窓口か?俺は(苦笑)』甲斐はひとりごち、
少し時間をずらしてエレベーターに乗った。
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