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君をこんなに愛してる
第9章 白い世界の中で
「なんで貴方は、昔のわたしを知っているの?」
「…言ったでしょう。僕は貴峰絢人から生まれたのだと」
「でも…」
「不思議ですか?」
スプーンを置いてその次に、サラダにドレッシングをかける彼。
彼はわたしと目を合わすことなく話し出す。
「──…《 僕 》という入れモノは、あらゆる物を彼から移されて完成しました。性格や思考、…そして記憶さえも」
それを望んだのは貴峰 絢人の両親だった。
《 代わり 》である僕が、実の息子と似ていれば似ているほど……彼等は喜んだ。
本物とそっくりな出来映え
それが単純に嬉しかったのだろう。