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君をこんなに愛してる
第9章 白い世界の中で
これを見る彼はどんな気持ちだっただろう。
彼には、絢人さんの記憶があると言っていた。
だったら庭の風景も、街の風景も…外の世界の記憶が彼にはずっとあったんだ。
そんな偽りの記憶を抱いたまま…四年間
こんな風に写真を見たりテレビを見たりしながら、彼は " 昔 " を懐かしんだりしたのかな。
パラッ
「…最後の、写真……!」
そこに写っていたのは、わたし。
植木鉢の横に腰を下ろしたわたしは、カメラを見上げて笑っている。