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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第32章 第十三話 【花残り月の再会~霞桜~】 其の壱
 お彩は最初、喜六郎の言葉の意味が判らなかった。喜六郎は蒼白な顔で繰り返した。
「つい先刻、俺が隣を覗いたときは、お美杷坊の姿は見えなかったぞ」
「そんな」
 お彩は漸くここに至って、事態の重大さを悟った。
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