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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第32章 第十三話 【花残り月の再会~霞桜~】 其の壱
「落ち着け、落ち着くんだ。お彩ちゃん」
 真後ろで喜六郎の声が聞こえ、お彩はハッと我に返った。
「旦那―さん」
 お彩は茫然として喜六郎を見た。
 痛ましげな喜六郎の視線とぶつかり、お彩は現実を悟った。
 自分は夢を見ていたのだ。恐らくは夢の中でお美杷の泣き声を耳にして、無我夢中でその声を頼りにお美杷を探しにゆこうとしたー。
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