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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第35章 第十四話 【雪待ち月の祈り】
「じゃあ、こっちにお通ししますね」
 お彩が言うと、即座に頷いた。
「ああ、すぐに入って貰ってくれ」
 お彩が中に入るようにと促すと、安五郎と名乗る男は店の中に入った。
「安っつぁん、久しぶりだなあ。達者そうで、何よりだ」
 喜六郎が破顔する。安五郎もつられたように笑顔を見せた。
「喜六郎さんもお元気そうにしはって、安心しました」
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