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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第36章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の弐
「大丈夫ですよ。私に似て丈夫なのがあの子の取り柄ですから」
「そう言って貰えると、こっちも気が楽ってえもんです」
「ちょっとお乳を呑ませにいっても良いでしょうか」
 お彩が問うと、安五郎は頷いた。
「どうぞ、遠慮なしにいってあげて下さい。店の方はしばらくは私一人で何とかしますから」
 安五郎が請け合ってくれたので、お彩は二階のお美杷の許に急いだ。
 お美杷は、喜六郎の寝室の隣の部屋で昼寝することが多い。喜六郎の寝間からは物音は何も聞こえなかった。
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