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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第36章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の弐
 泰助の姿が障子の向こうに消えたその瞬間、お彩の身体中から力が抜けた。たった今まで張り詰めていた緊張の糸がプツンと切れてしまったようで、お彩は緩慢な動作で手近な樽を引き寄せて座った。
 と、近くから笑い声が聞こえた。
「いや、何ともはや、見事としか言いようがねえな。あの狐野郎、尻尾を巻いて逃げやがった。偉そうな口をきいていても、所詮は京屋という大店の威光を笠に着てるだけだな、ありゃア」
 喜六郎は愉快でたまらないといった顔で笑っている。喜六郎の眼にも、顎の尖った面長の泰助の顔は狐に見えたのだろうかと思うと、お彩も思わずおかしくなって、クスリと笑いを洩らした。
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