この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第37章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の参
「いけねえ。降ってきちまったみてえだ。大降りにならねえ中に帰りましょう」
 安五郎の言葉に、お彩は我に返り、慌てて頷いた。
 翌朝、安五郎は京に向けて発っていった。
 お彩は日本橋まで安五郎を見送った。
 安五郎は橋の中ほどで立ち止まり、しばし名残惜しげにお彩を見つめた。お彩が小さく目礼すると、安五郎もまた小さく辞儀を返し、今度こそ背を向けて迷いのない足取りで橋を渡っていった。お彩はその長身の後ろ姿が見えなくなるまで、その場に佇んで見送った。
 喜六郎はこの顛末に随分と落胆したようだったが―、
―人の心、殊に男女の仲だけは思うに任せないものだなぁ。
 とぼやいたきり、その後、安五郎の名はもう二度と出そうとはしなかった。
 京屋市兵衛との約束の期日までは、残すところ、あと一日、明日に迫っていた。
/1605ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ