この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第38章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の四 
「うちの店が京屋さんからお借りしている土地は、これまでどおりお借りさせて頂きます」
 きっぱりとした物言いに、市兵衛は我を取り戻した。市兵衛としたことが、感傷に浸るあまり、我を忘れていたようだ。全く商人にとっては、あるまじき失態であった。
―それほどに、この女は自分を熱くさせる。
 市兵衛は、眼前のお彩をもう一度、強い眼で見つめた。
 凛としたまなざしは、雨や風にもけして倒れることのない強さを持つ花を彷彿とさせた。その瞳には揺るぎない決意が見て取れた。 お彩にとって、お美杷は、己れの生命にも等しき我が子だ。その愛盛りの娘を手放すのは、死ぬよりも辛いことだろう。さんざん迷い、心を千々に引き裂かれるほどの烈しい葛藤を繰り返したに相違ない。
/1605ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ