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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第38章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の四 
 いつか喜六郎のようないっぱしの板前になるのがお彩の夢であり希望となっていた。
 その願いが今のお彩を支えている。
 お美杷と離れるのは身を切られるように辛いけれど、考えようによっては、お彩の許で育つよりも父親の市兵衛の許で京屋の娘として育つ方があの子のためかもしれない。
 たとえお彩はゆかずとも、お美杷だけを返せば、それだけのお彩の覚悟を見せれば、市兵衛が今回は後に退くであろうことは、ほぼ判っていた。京屋市兵衛とは、そういう男なのだ。
 あの男は根っからの商人、生命にも等しき最愛の我が子を手放すことで、お彩がもう二度と京屋には戻らぬ気だと理解したはずである。もちろん、あれほどの男がこれできっぱりと諦め切るかどうかまでは判らなかったが、少なくともこの場は乗り切れたはずだ。
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