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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第38章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の四 
 翌朝がきた。
 お彩は朝から暇があれば、お美杷の寝顔をじっと見入っていた。今も「花がすみ」の二階でお美杷の寝顔を食い入るように眺めている。
 もしかしたら、これが今生の別れになるかもれしない。せめて幼い我が子の顔をこの眼に灼きつけておこうと、お彩はお美杷を見つめていた。突如として熱いものが込み上げてきて、お彩は枕辺に突っ伏して、声を殺してすすり泣いた。
 昨夜、「花がすみ」に戻ってから、お彩は喜六郎にお美杷を京屋に渡す代わりに、土地の件は一切なかったことになると告げた。
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