この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第39章 第十五話 【静かなる月】 其の壱
随明寺は「花がすみ」からもほど近い黄檗宗の名刹である。開基は浄徳大和尚。金堂や三重ノ塔、浄徳大和尚を祀る奥ノ院などの諸伽藍が広い境内に点在し、月に一度の浄徳大和尚の命日には露店が軒を連ね、大勢の参詣客で賑わう。
この随明寺の名物として名高いのが「随明寺の桜餅」であり、長命寺の桜餅と並んで江戸っ子に親しまれている名物だ。その名のとおり随明寺の境内の桜の葉で包み込んだ淡紅色の餅は中身の餡はしっとりと上品な甘みが特徴で、外側のもっちりとした食感と絶妙な調和を見せている。
この桜餅は随明寺山門から続く「息継ぎ坂」(急勾配の長い石段)を降り切った先にある小さな茶店でしか作られていないため、春のこの時季には朝早くから店の前に行列ができ、昼前には売り切れてしまうことも多い。
この随明寺の名物として名高いのが「随明寺の桜餅」であり、長命寺の桜餅と並んで江戸っ子に親しまれている名物だ。その名のとおり随明寺の境内の桜の葉で包み込んだ淡紅色の餅は中身の餡はしっとりと上品な甘みが特徴で、外側のもっちりとした食感と絶妙な調和を見せている。
この桜餅は随明寺山門から続く「息継ぎ坂」(急勾配の長い石段)を降り切った先にある小さな茶店でしか作られていないため、春のこの時季には朝早くから店の前に行列ができ、昼前には売り切れてしまうことも多い。