この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第41章 第十五話 【静かなる月】 其の参
 派手やかな装飾の閨の中でただ一カ所だけ、清新な雰囲気を醸し出している場所―、市兵衛の視線は自然にそこに吸い寄せられていた。小さな床の間に備前の火襷(ひだすき)の一輪挿しがあり、黄金(こがね)色の花がひと枝活けられている。
 山吹であった。しなった枝先にたっぷりとついた黄色の花が可憐で清楚な佇まいを見せている。
 そういえば、お彩の源氏名(遊女名)は「山吹」であったことを、市兵衛は、今更ながらに思い出していた。自分の女房である女が女郎という状況に、どうも今一つ順応し切れていないようであった。
 山吹の花の後ろには、いずれの能書家の手蹟か、流麗な仮名文字が躍るように並んでいる掛け軸がかかっている。惣籬には劣るが、流石に半籬の対面を保つだけの趣のあるしつらえであった。
/1605ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ