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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第44章 第十六話 【睡蓮】 弐
この若い二人は恐らくどちらもがお彩とほぼ同年といったところだろう。二人共に看板娘のお彩に想いを寄せているのだが、当のお彩はいっかな気づいていない。
お彩は、哲蔵と梅松が意味ありげに笑い合っているのを見、自分も何なのかは判らずに微笑んだ。
こういったところは、お彩はいまだに世慣れていないというのか、初だ。もっとも、男はそんなお彩の純情そうなところにまた惹かれるのだけれど。
「ところで、さっき京屋さんがどうとか、おっしゃってましたけど」
お彩がさりげなく切り出すと、梅松が待っていたように乗ってきた。
お彩は、哲蔵と梅松が意味ありげに笑い合っているのを見、自分も何なのかは判らずに微笑んだ。
こういったところは、お彩はいまだに世慣れていないというのか、初だ。もっとも、男はそんなお彩の純情そうなところにまた惹かれるのだけれど。
「ところで、さっき京屋さんがどうとか、おっしゃってましたけど」
お彩がさりげなく切り出すと、梅松が待っていたように乗ってきた。