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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第44章 第十六話 【睡蓮】 弐
「そうなんだよ。実はな、あの氷の京屋と云われた男が何とぶっ倒れちまったっていうから愕きさ」
「―」
思いもかけぬ言葉に、お彩が固まった。
と、哲蔵がふいに素っ頓狂な声を上げた。
「おい、そろそろ昼休みもおしまいだぜ」
そこで初めて梅松も我に返った様子だ。
「おっと、いけねえ。昼からの仕事に遅れたら、また親方にみっちり絞られるぜ」
梅松が大仰に肩をすくめ、哲蔵がちらりとお彩を見た。
「京屋のことがそんなに気になるんなら、ここに書いてあるぜ」
哲蔵がそう言って差し出したのは、一枚の瓦版であった。
「―」
思いもかけぬ言葉に、お彩が固まった。
と、哲蔵がふいに素っ頓狂な声を上げた。
「おい、そろそろ昼休みもおしまいだぜ」
そこで初めて梅松も我に返った様子だ。
「おっと、いけねえ。昼からの仕事に遅れたら、また親方にみっちり絞られるぜ」
梅松が大仰に肩をすくめ、哲蔵がちらりとお彩を見た。
「京屋のことがそんなに気になるんなら、ここに書いてあるぜ」
哲蔵がそう言って差し出したのは、一枚の瓦版であった。