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第45章 第十六話　【睡蓮】　参

　先刻までの取り澄ました態度はどこへやら、いきなり口調ががらりと変わり、敵意と憎悪丸出しの言葉をぶつけてきた。
だが、お彩は、酷い罵りと侮蔑に満ちた言葉のつぶてにもひたすら耐えた。
　再び気詰まりな沈黙が落ちた。お彩が唇を噛んでうつむいていると、お知歩の毒づく声が聞こえた。
「フン、勝手におし。ただし、あくまでも女中扱いしかしないし、当然ながら、女中部屋で寝起きして貰うことになりますよ」
「判りました。何事も仰せのとおりに従います」
　お彩は小さな声で応えた。