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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第9章 第四話 【ほたる草】 一
 偉兵衛にしてみれば、女房のおらぬ淋しさのあまり出来心でつい女郎に手を出したというのが実状のようだが、女房の小巻の方はそうはすんなりゆかない。
 偉兵衛の方も再び頭をもたげた昔の性癖は容易くは治まらず、小巻が敬次郎を連れて大和屋に戻って以後も、しばしば吉原へと忍んでゆくことがあった。夕刻になると、そわそわとして落ち着きがなくなり、藍染の粋な着流し姿で出かけてゆく良人を見送る小巻の胸の内はいかばかりであったろうか。
 浮気は男の甲斐性とはいうけれど、出産は女の身には大役でもあり、時には大厄ともなり得る。医療技術がまだ進歩していなかった当時、出産は女にとって生命を賭けた大仕事であった。その生みの苦しみに小巻が懸命に耐えている間に、偉兵衛はよりにもよって遊廓へ繁く通い、憂さを晴らしていたという。
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