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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第10章 第三話 【ほたる草】 其の弐
 お彩は男の背中に向かって大声で叫んでやりたかったけれど、流石にそれはできかねた。
大和屋偉兵衛という男はいつもあんな風に調子よく女とみれば、口説くのだろうか。あの男は、とうとう最後まで一度も小巻や敬次郎が息災かどうかを訊ねもしなかった。
 いや、二人の名前すら、あの男の口の端にのぼらなかったのだ。
 小巻が毎朝、こっそりと近くの稲荷社まで願掛けに出かけているのも、そも誰の、何のためなのかを、あの薄情な男は知りもしないだろう。その社は神社というよりは小さな祠ではあったが、願掛けには霊験あらたかとして知られていた。お彩も喜六郎も小巻の気持ちを思いやって知らぬふりを通していたけれど、小巻が何を願って、毎日、敬次郎を背負い稲荷詣でに通っているかは明らかであった。
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