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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第10章 第三話 【ほたる草】 其の弐
陽太はお彩が落ち着きを取り戻すまで、ずっとそうやってただ抱きしめていた。
その後、陽太は「花がすみ」の近くまで、お彩を送ってくれた。二人がその場を立ち去る時、偉兵衛はまだ地面に仰向けに寝っ転がっていた。
立ち去り際、お彩は不安げな表情で偉兵衛を振り返った。
「たいしたことはねえよ。あんな野郎には、これくらいが丁度良い薬になるだろうよ」
陽太は事もなげに言って、笑った。
四つ辻まで来た時、陽太がふいに立ち止まった。
「ここまで来れば、大丈夫かな?」
案じ顔の陽太にお彩は微笑んで見せた。
「ありがとうございます。陽太さんにはいつも助けて貰ってばかりね」
「いや」
陽太の整った面輪に笑みがひろがる。
その後、陽太は「花がすみ」の近くまで、お彩を送ってくれた。二人がその場を立ち去る時、偉兵衛はまだ地面に仰向けに寝っ転がっていた。
立ち去り際、お彩は不安げな表情で偉兵衛を振り返った。
「たいしたことはねえよ。あんな野郎には、これくらいが丁度良い薬になるだろうよ」
陽太は事もなげに言って、笑った。
四つ辻まで来た時、陽太がふいに立ち止まった。
「ここまで来れば、大丈夫かな?」
案じ顔の陽太にお彩は微笑んで見せた。
「ありがとうございます。陽太さんにはいつも助けて貰ってばかりね」
「いや」
陽太の整った面輪に笑みがひろがる。