この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第10章 第三話 【ほたる草】 其の弐
こうしていると、時折見せる孤独な横顔がまるで嘘のようなのに。
―何故、あなたは時々、あんな哀しそうな顔をするの?
そして、その孤独が一体、何に根差しているのかも。
陽太のことがもっと知りたかった。だが、お彩はすんでのところでその問いを飲み下した。たとえ訊ねたところで、陽太は応えてはくれないだろうことは判っていた。ただ哀しそうな微笑をその美しい面に浮かべるだけで去ってゆくに違いない。
と、陽太がお彩を物言いたげに見つめているのに気付いた。
お彩がなおも見つめていると、陽太が口を開きかけた。
「お前さんはまだ男を―」
何のことか判らず小首を傾げるお彩を眩しげに見つめ、陽太は更に続けようとする。
「いつか私がお前さんを―」
―何故、あなたは時々、あんな哀しそうな顔をするの?
そして、その孤独が一体、何に根差しているのかも。
陽太のことがもっと知りたかった。だが、お彩はすんでのところでその問いを飲み下した。たとえ訊ねたところで、陽太は応えてはくれないだろうことは判っていた。ただ哀しそうな微笑をその美しい面に浮かべるだけで去ってゆくに違いない。
と、陽太がお彩を物言いたげに見つめているのに気付いた。
お彩がなおも見つめていると、陽太が口を開きかけた。
「お前さんはまだ男を―」
何のことか判らず小首を傾げるお彩を眩しげに見つめ、陽太は更に続けようとする。
「いつか私がお前さんを―」