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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第12章 第五話 【夏霧】  其の壱
「お願いです、旦那さんに逢わせて下さい」
 女は懸命な面持ちで縋るようなまなさじを向けてくる。お彩はその切羽詰まった様子にただ事ではない雰囲気を感じ取った。
「あの」
 お彩がはて何と受け答えして良いものやらと当惑していると、当の喜六郎ののんびりとした声が割って入った。
「どうしたい、厄介事かえ」
 五十前の喜六郎は小柄でいかつい顔をした、お世辞にも男ぶりは良いとはいえない。しかし、人の好さだけは誰にも負けないほどで、その分気の弱いところはあった。お彩を娘のように可愛がり、奉公先の主としては申し分りない人である。
 喜六郎はいつものように実に飄々とした様子で出てきた。だが、そのにこやかな笑顔が女の顔を見て強ばった。
「お前―」
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