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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第15章 第六話 【春の雨】  其の弐
 今度逢ったら、どんなことを話そうかと楽しみにしていたのに、顔を見るなり、とんだ醜態を晒してしまった自分が恥ずかしい。
「この簪」
 陽太がそっとお彩の髪に触れた。
「ずっと身につけていてくれたのか」
 お彩は小さく頷いた。それは、他ならぬ陽太がお彩にくれた簪であった。手鞠をかたどった愛らしい簪は、陽太とお彩を繋ぐ、たった一つの品であった。去年の夏に陽太からこの簪を貰って以来、お彩はずっと髪に挿していた。陽太に逢えない間も、これを髪に飾り、淋しいときには手で触れて自分を慰めた。
 ふいに、お彩の背中に回った陽太の手に力がこもった。愕いてお彩が陽太を見上げる。
 長身の陽太の腕の中では、小柄なお彩はるで子どものようだ。陽太は上背のあるといわれる父伊八よりも更に身の丈があった。
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