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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第20章 第八話  【椿の宿】 其の弐
 惚れているからこそ、別れる。結ばれる前と違って、自分から身を退くのは何も市兵衛の将来を考えてというわけではない。恐らく、これ以後も深みにはまってゆくほどに、二人の拘わりは救いようのないものになるだろう。お彩の市兵衛への想いはいっそう募り、市兵衛もこれまで以上にお彩を狂おしいほどに求めてくるかもしれない。
 だが、その関係が互いへの愛情や優しさといったものから成り立っているとは、到底思いがたい。市兵衛は、あたかも何かに憑かれたように狂おしくお彩を求めている。今の市兵衛を突き動かしているものは、お彩への情ではなく、所有欲や男の本来持つ欲望といったものではないのか。
 自分たちは、このままでは遠からず破滅する―、お彩は市兵衛とのゆく先に滅びと救いようのない絶望を見たのだった。
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