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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第20章 第八話  【椿の宿】 其の弐
 もう何もかもに疲れ果てていた。市兵衛との関係は、あてどもない追いかけっこに似ている。その昔、まだ子どもであった頃、自分よりは数歳年長の子どもたちの背を追いかけたときと同じだ。
 いくら夢中で走っても、先をゆく子の後ろ姿はどんどん遠ざかって、やがて見えなくなる。走り、追うことに疲れたお彩は立ち止まり、いつしか泣いていた。
―どうして、どうして、皆、私を置いていっちゃうの?
 心の中で叫びながら、際限もなく涙を流し続けた。そんなお彩の肩に優しく置かれた手の温もりは―。
「お彩ちゃん」
 控えめに名を呼ばれ、お彩は長い物想いから解き放たれ、現実に立ち返った。
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