この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第21章 第九話 【夫婦鳥~めおとどり~】  其の壱
「綺麗」
 女主人がうっとりとしたように呟き、簪に魅入った。伊八のかつての師匠喜作は江戸でも名人と謳われたほどの職人であり、その名人技を余すところなく引き継いだ伊八の手になるものも逸品だ。女主人は今にも秋の風に揺れそうな桔梗の花をしげしげと見つめた。
「ありがとうございます。まさか、飾り職でいらっしゃるとは思いもしませんでした。よろしいのですか、このような立派なお品を頂戴しましても」
 少し心配そうに言うのに、伊八は笑った。
「そんなにおっしゃって貰うほどのたいそうなものじゃありませんよ。歓んで頂けたのなら、それだけで良かったです。それじゃあ、俺はこれで」
 伊八は言うだけ言うと、くるりと背を向けた。その時、いささか滑稽なほどに急いで帰ろうとする伊八の腹がグッーと鳴った。
/1605ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ