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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第23章 第十話 【宵の花】  其の壱
 その頃、市兵衛は吉原の「末広屋」にいた。
末広屋は本まがきの大見世である。人気の若菜太夫は吉原でも他の妓楼の花形花魁たちを凌ぐ稼ぎ頭である。女郎とはいえ、吉原での花魁の扱いは他の遊女とは別格の扱いを受けるのが倣いであった。居室を与えられ、贅を凝らした調度品に囲まれて大名の姫君並の待遇を受けることができた。殊に若菜ほどの人気のある花魁ともなれば、お職と呼ばれ、詩歌音曲などの教養にも通じ、時には大名の敵娼を務めることさえあったほどだ。
 その末広屋のお職若菜太夫はもう二年ほど前から、京屋市兵衛に夢中であった。女郎の暗黙の掟に「男に惚れさせても男には惚れるな」というものがある。吉原は幾ら豪華絢爛でも、所詮男が金で女を買う世界である。そんな世界で好いた惚れたの情けは生命取りになる。
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