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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第24章 第十話 【宵の花】 其の弐
「内儀さん、真実をお知りになって、それで何がどうなるというんですか。前の内儀さんがお亡くなりになって、もう六年にもなります。今更、内儀さんがその理由をお知りになったからいって、何が変わるものでもありません。もしかしたら、知らない方が良かったとお思いになられるかもしれなんですよ」
お彩は首を振った。
「おみよさん、私と旦那様が初めて逢ったのは、もう四年以上も前、五年近くのことになります。その頃から旦那様は、とても淋しそうなお顔をしていました。私はどうして旦那様があんなに哀しい眼をされているのかと、いつもその理由を知りたいと願ってきたのです。その原因を知り、何とかして旦那様を哀しみや苦しみから解き放って差し上げられないものかと、そればかりを考えてきました。すべてを知らなければ、旦那様をずっと苦しめてきたその原因を理解することはできないのではないかしら」
お彩は首を振った。
「おみよさん、私と旦那様が初めて逢ったのは、もう四年以上も前、五年近くのことになります。その頃から旦那様は、とても淋しそうなお顔をしていました。私はどうして旦那様があんなに哀しい眼をされているのかと、いつもその理由を知りたいと願ってきたのです。その原因を知り、何とかして旦那様を哀しみや苦しみから解き放って差し上げられないものかと、そればかりを考えてきました。すべてを知らなければ、旦那様をずっと苦しめてきたその原因を理解することはできないのではないかしら」