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金木犀と悪魔な執事
第8章 気づいた自分の気持ち?
私は迎えに来たこの車に飛び乗って
座った直後に怜の前で
静かに泣き出してしまった
情けないと自分でも思うが、
涙がなかなか止まってくれない
『私の方を向いてくださいお嬢様』
怜は月の隣に腰掛け、
顔を上げるように言う
月は躊躇しながらも、
少しずつ顔を上げていく
怜は手袋を外すと、
涙でぐちゃぐちゃな月の顔を両手で包み
落ちてくるひとつひとつの涙を
指で拭っていく
『大丈夫ですよ、月お嬢様。
学園を通っていくうちに、
だんだん緊張しなくなりますよ』