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金木犀と悪魔な執事
第10章 近づく距離、遠くなっていく距離



ニヤッと笑いながら

怜は部屋を去っていったーー





月はそれを見送った後、

力が抜けたように枕に顔を埋める





「怜、何でいま私に……こんな事……」




嫉妬してるのか?と、聞いたら

無言だったけど否定はされなかった



かといって肯定もされてない





でも、夜のレッスン以外での行為……





月は頭から湯気が出そうなほど考え込む




ーーちょっとは期待してもいいの?


こんな私でもちょっとは怜の特別なの?


怜を好きになり続けてもいいの?





「……もう分かんないよ、怜」


月はしばらくベッドで横たわってから

怜に去り際に言われたことを思い出して

着替え始めたのだったーー





ーーーーーー





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