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金木犀と悪魔な執事
第11章 秘密ーSecretー



『月は渡さないからな』




怜はその言葉にピクッと反応し、

思わず歩んでいた足を止める




普段の七織からは絶対に聞かない

低く威圧的な声




パッと後ろに振り返ると、

七織はこちらを向いていなくて

背中しか見えないが、

その後ろ姿からも

敵意が剥き出しなのが伝わる





でも下を向いて何も言い返えせない怜




我慢するように手をギュッとして

拳を作ると、手がわなわなと震える




自分は執事、月はお嬢様



自分の立場なんてわきまえている






返事をしない怜に七織はそのまま歩いて

去っていこうとする




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