この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
金木犀と悪魔な執事
第11章 秘密ーSecretー
『月は渡さないからな』
怜はその言葉にピクッと反応し、
思わず歩んでいた足を止める
普段の七織からは絶対に聞かない
低く威圧的な声
パッと後ろに振り返ると、
七織はこちらを向いていなくて
背中しか見えないが、
その後ろ姿からも
敵意が剥き出しなのが伝わる
でも下を向いて何も言い返えせない怜
我慢するように手をギュッとして
拳を作ると、手がわなわなと震える
自分は執事、月はお嬢様
自分の立場なんてわきまえている
返事をしない怜に七織はそのまま歩いて
去っていこうとする