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金木犀と悪魔な執事
第2章 知らなかった本当の自分



「ん…っ……?」


気づいたら私は

天蓋付きの白いベッドに横たわっていた


部屋全体が広く、

白を基調とした清楚な部屋だった


壁掛け時計の針は昼過ぎを指していた


『お目覚めですか?お嬢様』


「うわぁ!!?」


突然声をかけられてびっくりした私は

咄嗟に布団をかぶって体を隠した


『クスッ…

そんな怖がらないでくださいお嬢様』


そう言いながら黒髪の男は

私がかぶった布団を少しずつ剥いでいく


誘拐された相手に心許すはずも無く

私はじりじりと少しずつ

男から距離を取ろうと

ベッドの上を後ずさると…



ーーートンッ


『おっと、危ない』



背中に何かが触れたのと、

背後から黒髪の男とは違う声が聞こえ

私は驚いて振り向いた


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