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Memory of Night 番外編
第1章 こたつでお仕置き
いくら考えたってらちがあかない。宵はコタツから出て上体を起こした。
コタツの上に開かれた問題集を見やると、ある物が視界に入った。
淡いピンク色のメモ用紙だ。
そこで晃の怒りの原因に、ぴんと思い当たる。
「晃。おまえ、なんか勘違いしてねぇ?」
晃は何やら先ほどから、和室の隅に置いてあるタンスをごさごそと漁っていた。
そんな晃を振り返り、宵は背中に呼びかける。
「何が?」
応える声にも心なしか抑揚がなかった。
タンスの引き出しをしまい、晃がようやく宵を振り返る。
「何って、このメモよ……」
言いかけて、宵は固まった。晃の手に握られているものに気付いたからだ。
「それ」
「――お仕置きセット」
そうして極上の微笑みを浮かべる晃の右手にはゆかたを着た時の腰紐、左手にはタオルが数枚握られていた。
「キスマークを嫌がるなら仕方ないな。宵が誰のものなのか、宵自身の体と頭に刻みつけてやるよ」
晃の笑みが凶悪なものに変わる。
その顔にぞっとした。
反射的に逃げようとしたが、晃に逃亡を阻まれる。