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Memory of Night 番外編
第4章 Episode of AKIRA
「だからはぐれるって」
そう晃は怒るけれど、もともと人混みがあまり好きではない宵にしてみれば、はぐれてもなんでも早く用を済ませて外に出てしまいたかった。
その気持ちを察してくれたらしく、エスカレーターに向かう宵の隣を黙って歩く晃。
「ごめん。冗談だよ。階を間違えただけ」
「ホントかよ」
疑わしそうに宵は睨むが、晃は苦笑を洩らしただけだった。
それから二人はエスカレーターの前の案内板でメンズ服を売る店を確認し直し、目的の階へと移動した。
「にしても細いな本当に。体重何キロ?」
「覚えてねー」
「……毎年測ってるだろ」
宵の耳元でため息の音を響かせながら、晃は服を選び出す。
最初に入った店は、カジュアルな物が中心の店だ。
笑顔を貼り付けていらっしゃいませー、と声をかけてくる女性店員に、晃は優等生の笑顔を、宵は軽い会釈を返して二人は店内の奥の方へと進んでいく。
「やっぱティーシャツより前開きのシャツの方がいいな。脱がせやすくて」
「……妙な基準で選ぶなよ」
「ごめん、つい本音が」
「変態」